THE 音ゲー『MUSYNX』

結論から言うと、『MUSYNX』は音楽ゲーム初挑戦の人にふさわしいゲームだ。肉じゃがで例えよう。肉じゃがは極論、肉とジャガイモが煮込んであれば成立する。では「音ゲー」に必要な最低条件は何だろう。キャラクター? それもありだ。宇宙的? そういうのも、うぅん……たまには食べたい。ストーリー性? まぁ、分かる。分かるんだけど、そうじゃない。違うんだよな……何だろうな……。そう、つまりは「こういうのがいいんだよ、こういうのが。」という安心感だ。『MUSYNX』は、音ゲーに必要な要素が、必要な分だけ詰まっている。今回は、音ゲーの醍醐味がシンプルに詰まっている『MUSYNX』を取り上げ、なぜ『MUSYNX』が初心者にふさわしいゲームなのかを考えてみよう。

『MUSYNX』で知る 音楽ゲーム(通称:音ゲー)とは何か

『MUSYNX』は、とてもシンプルな音楽ゲームだ。基本的なルールは音ゲーとして人気を博した『beatmania(ビートマニア)』『pop’n music(ポップンミュージック)』と同じで、メロディーに合わせて落ちてくるノーツが画面下部のラインに重なった時に、対応したボタンをタイミングよく押すというもの。落ちてくるノーツは「4keyモード」「6keyモード」に分かれており、自分がプレイできるレベルに合わせて選べる。またプレイ画面も3Dや2Dモードを選ぶことができ、自分がプレイしやすい環境で楽しむことができるのだ。プレイヤーが音楽に合わせてアクションをとり、そのアクションがメロディーと一致していればスコアが上がるというのを「音ゲーの基本」とするならば、『MUSYNX』その条件を過不足なく満たしている。つまり、音ゲー初体験のプレイヤーにとって実に最適なゲームだ。

『MUSYNX』に学ぶ 音ゲーに必要なものとは何か

他に我々が音ゲーに対して求めるものは何だろう。それは良質な音楽であり、豊富な曲数だ。音楽の質が悪いとプレイする気も起こらない。そして曲が良くても、数が少なければ飽きてしまう。贅沢なジレンマだが、実際そうなのだから仕方がない。その点『MUSYNX』は通常購入で48曲。追加DLCで+80曲以上、合計130曲で遊べる。ジャンルもポップスからクラシックまで幅広く、気がつけば腱鞘炎になるまで遊んでいた、なんてことも! 実際に筆者は右半身に支障をきたすまで遊び倒した。音ゲーに必要な「質が良い音楽の多さ」という要件を『MUSYNX』は十分に満たしている。必要なものは潤沢にそろっているのだ。

『MUSYNX』が なぜ音ゲー初心者にふさわしいのか

『MUSYNX』ではプレイミスをしてもライフゲージが減らない。なので、ミスを連発しても最後まで曲をプレイすることができる(もちろんリザルトでのスコアには反映されるが)。途中で「退場!」とならずに最後まで曲をプレイできるのはモチベーションが上がる。またミス判定が甘いのでコンボがつながりやすい。コンボがつながっていくと、スコアも上がり、クリアするごとに快感を覚えていく。その内に音ゲーの基本が身につき、気づけば音ゲーの虜になっている。さらにさらに、何より値段が安い! 定価¥410でこのクオリティの音ゲーにさわれるのはありがたい! つまり、システム的にも価格的にも、『MUSYNX』音ゲー入門にふさわしいゲームなのだ!

音楽も音ゲーも、「音を楽しむもの」だ。『MUSYNX』は音ゲーとしての必要要件を揃えていながら、非常に安価で、しかも十二分に楽しめる。言うなれば、肉とジャガイモが良い塩梅で煮込まれた肉じゃがのようなゲームだ。初心者という括りに関わらず、食わず嫌い、ないし過去に音楽ゲームに苦手意識を持ってしまった……という人にとっても『MUSYNX』は最適な処方箋だ。また音ゲー玄人にとっても、肉じゃが的安心感のあるゲームだと言える。音が楽しい人も苦しい人も、等しく楽しませてくれるゲームだ。そんな『MUSYNX』の紹介は、某有名マンガに登場する指揮者の言葉で〆たい。「さぁ…楽しい音楽の時間デス♪」

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