反重力で宙に浮かぶ近未来的なホバーシップであるレースマシンが、ディストピアを思わせる荒野に設けられたコースを超高速で駆け抜ける。目で追うのが難しいほどの刹那に後ろへと過ぎ去っていくコースは、未来的な加速とそれに伴うスリルを観る者にもたらす。「宇宙一速いレースゲーム」と公式が謳っていることに、頷かざるを得ない。

本作には充実したシングルプレイヤーの「キャリアモード」と、世界中のプレイヤーと熾烈な競争を繰り広げることができる「マルチプレイ」が用意されている。
「キャリアモード」では36個のコースが用意されており、タイムアタックなどの多彩なルールの中からレースに挑戦できるボリューム満点の内容となっている。「マルチプレイ」では、最大で12人のライバルたちとゴールを目指す、熱い戦いが待ち受けている。コースはいずれも反転して楽しむことができ、同じコースであっても飽きさせない工夫がなされている。

これは宇宙一速いレースゲーム

先にも述べたとおり、これは「宇宙一速いレースゲーム」だ。
迫力満点のグラフィックが待ち受けているわけだが、ただそれに目を奪われている場合ではない。『ワイプアウト』や『F-ZERO』などの反重力レースゲームの傑作同様、高速で推進するホバーシップを操るプレイヤーには、曲がりくねったカーブや急降下するコースなど難所の数々が待ち受けている。このクレイジーなコースでトップを目指すため、ツイストやジャンプなどのプレイヤーの操作スキルが求められるのだ。そのクレイジーな操作を乗り越えたプレイヤーが、勝利という栄冠を掴み取ることができる。これをやりがいと捉えるか無謀な挑戦と捉えるか、……読者のゲーマー魂が問われる選択だろう。

レースマシンを自らの手で

『Redout 2』では、あなたが操りコースを駆け抜けるマシンをプレイヤーの手で組み上げることができる。カスタマイズの幅は広く、12種類のシャーシや翼、ロケットエンジン、塗装など、上げれば専門用語録になってしまうのではないかという数々のパーツが用意されている。完成したプレイヤーだけのオリジナルマシンがコースを駆け巡り、真っ先にゴールラインを切るさまを想像してほしい。そう、そのマシンこそが、あなただけの宇宙一速いマシンなのだ。
また『Redout 2』にはフォトモードがあり、そのマシンを撮影することもできる。レース中の最高の瞬間を撮影し、カスタマイズを重ねた愛機を全世界に自慢してほしい。

レースを彩る楽曲数々

レースゲームにおいては、画面に広がる高揚感をさらに高めるBGMが欠かせない。筆者は「ソニックヒーローズ」や「頭文字D」のトランス・ミュージックが自然と浮かぶのだが、本作にはなんと51もの楽曲が用意されているのだ。
オリジナルの42曲だけではなく、エレクトロニック・アーティスト界のスーパースターから許諾を得た楽曲も採用されている。例えば、伝説的なエレクトロニック・アーティスト「Giorgio Moroder」はもちろんのこと、超攻撃的なEDMで高い人気を誇るベネズエラの「Zardonic」、メタルとシンセのブレンドが心地よい「Dance With the Dead」など、多彩なアーティスト達の楽曲が用意されており、聴覚からもプレイヤーの高揚感をガンガンに煽ってくるのだ。あまりにもアガってしまうので、車の運転中の脳内再生にだけは注意していただきたい。

『Redout 2』は高い評価を受けた『Redout』の続編であり、開発元も前作と同じく「34BigThings」。前作の評価点が引き継がれている本作は、前作で楽しんだプレイヤーが楽しめるのはもちろんのこと、新たに興味を持った読者もまた、前作よりもブラッシュアップされた作品を手にすることができるのだ。
爽快感、グラフィック、楽曲の三拍子が揃ったレースゲーム。それが『Redout 2』だ。
「宇宙一速いレースゲーム」の覇者。それは『Redout 2』を極めたものだけに許された称号なのである。

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