おぞましい『Oxide Room 104』から脱出できるか? 

どんな悪夢も、目覚めてしまえば終わりだ。だが、もし目覚めた先が悪夢だったとしたら……? そんなゲームが、『Oxide Room 104』だ。「サイレントヒル」や「ムカデ人間」をインスパイアした、エスケープルーム(密室からの脱出)的アクションゲームだ。

不可思議なモーテル「ナイトソウル」の中に閉じ込められた主人公が、想像を絶するおぞましい体験をする。なぜ「ナイトソウル」に閉じ込められたのか? オキサイドとは、一体何なのかを追求していこう。

奇々怪々なモーテル「ナイトソウル」

主人公のマシューは、目覚めると身ぐるみを剝がされたままバスタブの中にいた。なぜここに閉じ込められたのか、全く覚えていない。覚えているのは「ナイトソウル」というモーテルに立ち寄ったことだけ。状況を把握するためにバスルームを出て様子を見てみる。人の気配を感じない薄暗いモーテルで、ふと人の姿が見えて扉を開くと……突如、恐ろしいクリーチャーが現れる。腕が複数ついたヒトのような化け物や、上半身が大きく裂けた口のような化け物たちが、つんざく声をあげながら襲いかかってくるのだ。一体、何が起きているのか? モーテルから脱出するためにも、とにかく探索するしかない。

ディープなホラーファンこそ愉悦する悪夢

『Oxide Room 104』には、ホラー好きの興味を引く要素がひしめいている。サイコロジカルホラーゲームの傑作「サイレントヒル」からは人間の心の闇の深さや謎解きの要素、ボディー・ホラーの異形の名作「ムカデ人間」からはゴア表現のグロ要素や人体改造の狂気が取り入れられた、深淵のような世界観を創り出している。それに加え、ショッキングな展開のストーリーが繰り広げられるだけではなく、真エンディング以外すべてBAD ENDというマルチエンディングという何とも嬉しくない(もちろん愉悦勢もいると思うが)おまけつきだ。「ナイトソウル」の悪夢から脱出できるか、――ホラーゲーマーとしてはたまらない要素がみっしり詰まっているのだ。

何度も何度も繰り返す「Room 104」

『Oxide Room 104』は、ループ系のマルチエンディング方式を採っている。探索途中で死んでしまうと、再び104号室のバスタブからスタートする。しかも医師から手足のどこかを切り落とされるという演出つきだ。探索する時は、五体満足の状態で行えるので心配ない。最大4回までループが可能だが、その度にこれまで集めたアイテムを全て失い、やり直しとなる。しかもループの度に敵の種類や配置場所も変わり、2回目より3回目、3回目より4回目の方が難易度が高くなる。ちなみに4回死ぬとエンディング直葬なので注意しよう。「ナイトソウル」には、脱出に活用できるリソース、マップ、手掛かり(資料を含む)、武器になるものが設置されている。何ということはないアイテムも、組み合わせによっては武器になる。何が攻略のヒントになるか分からないので、ギミックとにらみ合いながら慎重に所持アイテムを選ぼう。なぜならアイテムは、9種類しか持ち歩けないという所持制限があるからだ。アイテムの保管場所はあるので、持ち歩くアイテムを選別して行動しよう。全ての部屋を探索し資料を集め、真EDに辿り着くと「ナイトソウル」の真実が判明する。そこで初めて、マシューが「ナイトソウル」をさまよっていた意味が分かるはずだ。

ここはどこなんだ、これはなんだ、なんでこうなったんだ?……そんな風に考えながらゲームを進めていくと、「なぜマシューが閉じ込められたのか?」「医師の目的は何なのか?」「オキサイドとは何なのか?」という考察が楽しめるようになる。ただ残念なことに、この『Oxide Room 104』は日本における認知度がまだ低いゲームだ。日本語訳にも対応しており、問題なくプレイできる。我こそはヘヴィーホラーゲーマー! 日本のホラーに飽きたところよ! という方はぜひ「オキサイド」の謎に挑んでほしい。You Tubeではプレイ動画も複数上がっているので、興味がある方は参考にしてみてはどうだろうか。

成人向けコンテンツの説明
開発者はコンテンツを次のように説明しています:
– Intense violence
– Blood and gore
– Nudity
– Language

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Oxide Room 104

タイトル: Oxide Room 104
ジャンル: アクション, アドベンチャー, インディー
開発元: WildSphere
パブリッシャー: WildSphere
シリーズ: Oxide
リリース日: 2022年6月17日