制限時間は44分! 悪夢の探索『44 Minutes in Nightmare』

お化け屋敷。筆者は、好きだけど苦手なのだが……あなたはどうだろうか? 『44 Minutes in Nightmare』は、ランダムに生成されるダンジョンを探索する、お化け屋敷より恐ろしいホラーゲームだ。「44分」という制限時間中に、脱出を試みるというもの。プレイ時間が決まっているのでサクッとやれてしまうが、ゲーム要素が非常によく絡み合っていて、非常に面白く、とても怖い。

多くのゲーム系YouTuber達の間でも流行ったので、知っている人もいるかもしれない。44分という限られた時間の中でランダムに生成される館の中を脱出する、ローグライクステルスホラーFPSゲーム『44 Minutes in Nightmare』を紹介しよう。

ダイブした先はまさに悪夢

謎の言葉を遺して昏睡状態に陥った富豪の娘を救出するため、主人公は多額の報酬と引き換えに依頼を受けることになる。人間の肉体と意識を分離して娘の夢の中に入ることができる「Night Drive」という装置を使い、娘を夢の中から連れ出す。ダイブしていられる制限時間は44分間だけ。いざダイブすると……まさにそこは「悪夢(ナイトメア)」だった。暗く陰湿な館の中。そこかしこにある罠と血痕。そして数々の先に潜った者たちの死体。あらゆる恐怖が心を押しつぶすような場所だった。

蜘蛛の糸のように絡みつくシステム

『44 Minutes in Nightmare』の何より恐ろしいところは、凶悪に絡み合ったゲーム要素だ。「ローグライク」の死んでしまったら全てが終わる「パーマデス方式」と、館に入るたびに形を変える「ランダムマップ形成」要素を採用している。広い館の形とアイテムの配置が毎回違うので、扉の先に何が待っているのかが予測できない。毎回すべて手探りだ。そこに加わるのが「44分」という時間制限。館は広く、敵も徘徊しているので、やり過ごすだけでも大変だ。その上、娘を見つけて脱出手段を考えなければならない。また一人称視点なので視界外からの攻撃や罠などに注意を払って進まなくてはならない。加えて、所持できるアイテム数は限られているので、そのアイテムが脱出に必要なのかどうか、精神を安定させる安定剤、武器など、どれを今そのタイミングで持っておくべきなのか、あとで取りに戻れるのかなど、慎重に選んでいかなくてはならない。パンくず替わりの光るビー玉を持ち歩いていると、重要そうなアイテムを置いていかなくてはならないなど、本当によく練りこまれている。それだけではない。主人公にはHP(体力)の他に、「恐怖値」「精神汚染」というゲージがあるが、それらを回復する手段もそう簡単ではない。精神汚染は青い霧のようなサークルに入る事で回復することができるが、その回復中には音を発し続けるので、敵を呼び寄せてしまう。多種多様な難しい要素の相乗効果で、脱出が非常に困難なものに仕上がってしまっている。「ここまでするか!?」と叫びたくなるゲームなのだ。

引き出しを開けて耳を澄ませて活路を開け!

だが主人公にも全く情報が与えられないわけではない。先にダイブした者たちが残した手記が数多く残されている。手記には特定の敵の弱点や倒し方、脱出のヒントなどが数多く書かれているのだ。(時には死亡フラグ満載の役に立たない内容もあったりするが)机の上や引き出しの中をくまなく探すことでこれらの情報を得られるが、死体が握っていたりもするので、それだけで精神的なダメージが襲う。が、読まなければ情報が手に入らないのだ。また、敵についてもランダムで配置されている。近づいてくるのがわかりやすい敵もいれば、近づかれて初めて気づくような敵もいる。救いなのは、敵の数がそれほど多くないということだけだ(それも最初の内だけだが)。あくまで、娘を連れて脱出するゲームなので、敵とうっかり出会わないように迂回したり注意しながら進もう。

「44分」という時間でプレイできるゲームだが、おそらく1回で簡単にクリアするのは困難だろう。悔しくて「もう一回!」とクリアするまでやってしまう、そんな面白さがある。さらに「HARDモード」が実装されたことで、より凄惨でやりごたえのあるゲームになっている。44分という時間は短いかもしれないが、それを何度も繰り返して、何度でもプレイしてほしい。

成人向けコンテンツの説明
開発者はコンテンツを次のように説明しています:
このゲームには銃で敵を倒したり、裂傷、血、死体や死、ゾンビ等の表現が含まれています。

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44 Minutes in Nightmare

タイトル: 44 Minutes in Nightmare
ジャンル: アクション, インディー
開発元: Takashi Sowa
パブリッシャー: Takashi Sowa
リリース日: 2021年3月16日
早期アクセスリリース日: 2020年12月31日