毎日、仕事に学校にと忙しく過ごしている人は多いだろう。『SCARF』は、そんな人にこそプレイしてほしいゲームだ。舞台は、壮大な景色が3Dプラットフォームで表現された遺跡や森。そこに、スカーフから様々な形へと姿を変えるドラゴンが登場する。そして、そのドラゴンをパートナーに少年が冒険していく物語となっている。

スペイン産のゲーム『Journey（風ノ旅ビト）』や『RiME』、他にもスタジオジブリやピクサー作品などの影響を受けている『SCARF』。当サイトでも取り上げたことのある『Journey（風ノ旅ビト）』をプレイしたことある人も、是非プレイしてほしいゲームだ。

ドラゴンと少年の冒険

ゲーム開始直後、主人公である少年はドラゴンと母の物語を知る。その物語はまるで神話のようで、とてもユニークだ。その要約だが、魔法の世界の中で生きるドラゴンと母親は、反乱者によって引き裂かれたのだという。つまり傷ついたドラゴンの心を救い、母親の元へ戻すことが旅の目的らしい。果たして少年1人にできるのだろうか？もちろん、できることは限られている。だからこそ、ドラゴンが少年の冒険を手助けしてくれるはずだ。スカーフに姿を変えたドラゴンと一緒に旅を始めよう。友情が深まることで、この先の冒険における優秀なパートナーとなってくれるはずだ。

スカーフと共に解くパズルアクション

冒険のステージは全部で3つある。各ステージには「流浪人」というキャラクターが登場し、彼らは光る玉を持っている。それをステージごとに必要数手に入れることで、ステージクリアとなる。流浪人は、ステージ上を逃げ回る。彼らを捕まえるためには、まず模様の欠片を集めなければならない。なぜなら、欠片を集めるとスカーフに光る刻印がされるのだ。そして、欠片を5つ集めてステージ内に設置されたモニュメントの所に行くと、幻となっていた通路が実体化して流浪人へと近づける。そうやって彼らを捕まえ、光る玉を手に入れると、スカーフは新たな能力を身に着ける。その能力は、ダブルジャンプ、スリングアクション、グライダーなど多岐にわたる。全てのアクションは、ステージを進めていく上で必要な能力だ。多種多様に形を変える、神秘的な『SCARF』と共に、世界を冒険しよう。

美しい景色に隠された秘密

各ステージでは、美しいグラフィックに目を奪われる。3Dプラットフォームで表現された壮大な景色が画面いっぱいに広がり、世界観にマッチしたオーケストラBGMがゲームへの没入感を高める。さらに『SCARF』には、その世界観に溶け込むように、隠された秘密がある。「収集品」だ。収集品には「インク」「トイ」「グラフィック」とがあり、これらを一定数集めることでエンディングが変化する。収集品はステージの景色の中に上手く溶け込んでいるので、よく目を凝らして探そう。

映像を見ただけで、グラフィックの美しさに思わず「すごい！」と感動の声が漏れてしまった。探索している内に、ゲームプレイという目的を忘れて、この雰囲気を堪能したいという気持ちにさせてくれる。そして、美しい風景の上にレイヤーのように重なる複数のストーリーと、バリエーション豊富なパズルアクション。この独自性のある世界観は、どんなプレイヤーも虜にするに違いない。
加えて、ドラゴンと少年の間に生まれる友情も、胸を熱くさせてくれる。ふたりは、パートナーがいることがどれだけ心強いかを知り、共に冒険することで次第に絆を育んでいく。そんなことに想いを馳せながら、プレイして欲しい作品だ。

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