『Sayonara Wild Hearts』は、スウェーデンのインディーゲームスタジオ「Simogo」が開発したリズム・アクションゲームだ。

PVを見てもらうと分かると思うが、ネオンカラーのスタイリッシュな空間で、スケートボードやダンスバトル、シューティングや殺陣アクションがとてもスタイリッシュに繰り広げられている。公式では本作を「ポップアルバムビデオゲーム」と称している。何だそれ。聞いたこともないぞ？このオサレ感は、一体なんなんだ!? と思うだろう。そこで今回は、時速200マイルのスピードで展開される『Sayonara Wild Hearts』の世界へ、スタイリッシュにご案内しよう！

Hi-SPEED & STYLISH！時速200マイルの彼方へSayonara！

まず目を惹くのは、クリエイティブでカラフルなアートスタイルだ（昔からゲームをやり込んでいる人は「君のためなら死ねる」を思い浮かべるかも知れない）。シンプルでありながらネオンカラーが目を惹くビジュアルは、ポップでキュート、そしてクールという3つの面を持っている。プレイすると耳に残るキャッチ―なエレクトロ・ダンス・ミュージック（以下、EDM）のトラックも「POP & Cute & COOL」とスタイリッシュさを味わえる贅沢な仕上がり。そして何より、ステージによってシューティングやレース、弾幕ゲームに次々と切り替わるバリエーションに富んだゲームスタイルの数々にプレイヤーは驚かされる。これは何だ？何ゲーなんだ？と思うだろう。しかし間違いなく言えるのは、ゲーム操作もステージ展開もEDMで攻める「リズム・アクションゲーム」なのだ。そして、すべてのアクションは「ハイスピード」で「スタイリッシュ」。アクションを決める時に楽しめるサウンドは、すべて『Sayonara Wild Hearts』のための書き下ろし。そして何と「Spotify」でもスイートなサウンドに浸ることができる。アクションゲーム好きはもちろんのこと、リズムゲーマーや（特に）EDM好きは脳汁がドバッと出るサウンドだ。これは味わってみないと損!!というものだ。

タロットカードをインスパイアした独特のデザイン性

『Sayonara Wild Hearts』に登場するキャラクターの設定は、タロットカードの大アルカナがベースになっている。大まかなストーリーはこうだ。「教皇」「女教皇」「女帝」が保っていた世界の調和を、仲間の「ダンシング・デビル（悪魔）」「ハウリング・ムーン（月）」「ステレオ・ラバーズ（恋人）」「ハーミット64（隠者）」たちと共に「リトル・デス（死神）」が盗んでしまう。それによって力を失いつつあった神々は、ヒロインを創り出して世界を救う力が備わるときを待ち、――失恋の傷心をいだいた主人公がヒロイン「ザ・フール（愚者）」として世界の調和を盗んだアルカナたちと戦う、という物語。キャラクターや空間、登場する乗り物のデザインも、大アルカナをインスパイアしたものとなっている。本作特有の色彩や幾何学的図形の中でハイスピードに動くキャラクターたちは、まさに「STYLISH!」の一言に尽きる。起きた時にくらくらしそうな、夢のような『Sayonara Wild Hearts』の世界に触れれば、たちまち虜になること間違いなしだ。

実績解除は12星座の謎にあり！

『Sayonara Wild Hearts』には、ステージが24個ある。ステージ内にはコイン風のハートが散らばっており、それを集めるとスコアを稼げる。1つのステージをクリアすると、スコアに応じてリザルトが表示される。スコアによってクリアの可否が決まるわけではないので、最初はあまり気にしなくても大丈夫だ。しかし『Sayonara Wild Hearts』には、同じく24個の謎が隠されている。この24という数字は、12星座の「表」と「裏」を数えたもの。そしてこの謎を解くプレイングが、実績の解除に直結している。つまり実績は24個。数としては普通か、やや少なめだろう。カジュアルでシンプルな操作性なので、『Sayonara Wild Hearts』は実績を気にする人にもおすすめできる。ただ注意してほしいのが、本作に関しては<b>ハイスコアを狙うばかりが実績を解除する方法ではない</b>ということだ。実績解除のヒントはメニューにある「星座の謎」に隠されている。そこにある言葉から推理して、色々なプレイングを試してみよう！

夢のようなゲーム輝かしい受賞歴！

『Sayonara Wild Hearts』のスタイリッシュさは、数々の受賞歴が証明している。本作は2019年にリリースされ、ノミネートされた賞は17賞（39部門）！受賞したのは「New York Game Awards」の「Tin Pan Alley Award for Best Music in a Game」や、「16th British Academy Games Awards」の「Artistic Achievement」、「Nordic Game Awards 2020」での「Best Art」ほか10部門での受賞を果たしている。中でも、デザイン性を重視する「Apple」社が行っている「Apple Design Awards」の「ゲーム部門」での受賞歴は目をみはる。自らを「ポップアルバムビデオゲーム」と称する『Sayonara Wild Hearts』のビジュアル・サウンド・ゲームデザインセンスは伊達ではないのだ！

これは「愛の物語」だ。恋に破れ傷ついた女の子が、本来の「幸せな自分」を取り戻すという物語。そんな素敵なストーリーを、カジュアルでありながら爽やかな操作感と、キャッチーでありつつポップでスイート&スタイリッシュなサウンドで楽しませてくれる『Sayonara Wild Hearts』。リズムゲーマーとしては一度やる価値があるゲームだ。また、ゲーム中で使用されている楽曲は「Spotify」などのストリーミングサービスで聴くことができる。さぁ、ポップなサウンドに合わせて、ゲームも音楽も楽しもう。Let’s POP！

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