人は何かを選択するたびに、必ず何かを犠牲にしています。それは物であり、時間であり、はたまた見ず知らずの誰かかもしれません。人が人であるが故の性であり、それこそが世界の選択とも言えるでしょう。このゲームでは、何者でもないひとりの少女を世界の救世主へと育て上げる、デッキ構築型ローグライク育成ADVゲームです。ローグライクの何度もやり直しをする要素を育成ゲームに落とし込んだゲームで、SFチックなストーリーになっています。ストーリーが非常に良い点が評価されるゲームではありますが、育成ゲームが好きな人も、デッキ構築が好きな人も、たっぷりと楽しめる『世界の為の全ての少女』をご紹介します。

ゲームの根幹となる世界の始まり

100年以上未来の世界は崩壊の一途を辿り、残された人類の最後の希望はたった一基の宇宙船でした。外宇宙への救助計画を遂行するためには最も優れた人材が必要で、プレイヤーは「管理官」となりひとりの少女に世界の全てを学ばせ育てることとなります。知らぬうちに大きな使命を託された平凡な少女に悟られることなく、計画を達成しなくてはなりません。少女の家庭教師として過ごす中で、彼女に対して揺れ動く感情と計画遂行を目指す自分の行動との狭間で心を痛めながらも、幾つもある選択の中からトゥルーエンドを目指していきます。

全42ターンの少女育成計画。立ちはだかる審問官のテスト!?

１年間を６シーズンに分け、合計7年の42ターンで構成された育成期間。その間で少女は知性(INT)、慈愛性(KND)、魅力性(CRM)、身体性(VIT)、４つのパラメーターを伸ばしていき、年末に行われる審問官からの質疑応答に答えます。質疑応答では主に「思い出」を必要として、これまで経験してきた、過ごしてきた中での思い出をもとに正しい答え、もしくは近い答えを返答します。それによって得られる点数で一定数を越えていればクリアし、次の年へ進みます。パラメーターを上げながら、思い出を作り、審問官の質疑応答に備えることをおすすめします。

ただ上げればいいだけじゃない”奥深い”育成システム

各種パラメーターを上げ、思い出を作るためには街に出掛ける必要があります。街には居住区域、娯楽区域、商業区域、特別区域、工業区域が存在し、それぞれの区域では先述したパラメーターを伸ばすことができます。人材カードを獲得することで使用できるコストを増やしたり、パラメーターの上昇値を上げたり、その他能力を得ることができます。ランダムな人材カードを選びながらデッキを構築し、区域の選択を行う。これらの行動は全てコストを消費するため慎重に選ばなくてはなりません。それだけでなく、区域を発展させることでパラメーターの上昇値を増加できますが、その分、少女に計画がバレる発覚確率が上昇し、危険性を伴います。たまには街に休息を入れて活気を維持しましょう。

完璧な育成よりもバランスを気にして上手く立ち回ることが推奨されるこのゲームは、従来の育成ゲームにはないハラハラ感があり、スリルを味わえます。育成には非常に難易度が高いゲームなのでなかなか7年目に到達できないのが難しい所ですが、ストーリーは少女との絆と計画の管理者としての立場などが非常に良く描かれており、とても素晴らしいゲームです。現在はアーリーアクセスのためチュートリアルなどがありませんが、やり込み要素としては申し分ないほどに完璧と言わざるを得ないでしょう！

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