謎が謎を生むサイコロジカルカードゲーム『Inscryption』

このゲームはデッキ構築型のカードゲームとローグライク、謎解きパズルの脱出ゲームの要素を組み合わせた、非常に挑戦的なサイコロジカルホラーゲームです。ロウソクの明かりが微かに灯るようなビジュアルの木造部屋。すでにその世界へと引きずり込まれているかのようなテイストをしており、ゲームを起動すると”ニューゲーム”ではなく”コンティニュー”からゲームが始められます。はじめから謎が提示され、その謎を知ろうとのめり込み、プレイを進めるうちに見事に沼に浸かる事でしょう。謎解きが楽しいゲームなのでネタバレはなるべく避けつつ、ご紹介していきます。

両立しなくてはならないカードゲーム×脱出ギミック

突然薄暗い密室に放り込まれたプレイヤーは動物をモチーフとしたカードゲームをします。カードにはコストがあり、場に出して相手のカードやゲームマスターを攻撃したりして戦います。進めていくと突然ゲームマスターが怒り出すときがあります。それは条件を満たしていない為です。このゲームでは、ただカードゲームで勝てばいいわけではなく、同時に謎も解いていかないといけないのです。このゲームには「カードバトル中でなければ好きに席を立つ」ことができます。つまり、プレイヤーは室内を散策できます。部屋の中には棚や置物、額縁や時計、金庫があり、どれも条件クリアで強力なアイテムやカードがもらえます。両立して進めない限り、カードゲームの方での勝利は見込めないでしょう。また物語を進行していくとマップ上などでカードの強化や能力の合成などができる場所もあります。どのカードを強化していくかなども考えて有利にカードデッキを組んでいくようにしましょう。

語りだすカードたちとゲームマスター

カードの中にはいくつかのしゃべり出すカードが存在します。そのカードもただ話しかけているのではなく、それぞれの意思があり、ひとつの目的に向かってプレイヤーをサポートします。それはゲームのルールであり、室内のギミックであり、どこか親しそうな雰囲気を見せるゲームマスターのことなど様々です。カードが喋るとどこか不思議の国を思わせるような世界観に合った雰囲気たっぷりです。室内に散りばめられた意思を持つカードを集めることで、また新しいヒントが得られるかもしれません。

なぜ、このゲームはそこまでネタバレを禁止しているのか?

公式からタブーとされているネタバレに関しては、どこの紹介サイトにも載せられないほどの真実が隠されているのです。たった一つをバラしたからと言って全てがわかるほど簡単に理解できるゲームではありませんが、濃厚で濃密で、底知れない深淵を思わせるほどに難解な物です。とにかくおどろおどろしく、カードを場に出すときに動物を生贄にしたり、ダメージのカウントを金色に黒光る歯で表現したり、どこかホラーで身の毛もよだつような演出は、このゲームの真髄を表しているからなのかもしれません。真実はこのゲームを最後までプレイした人にしか分かり得ず、真実を知った人たちは皆「とにかくプレイして」としか言えなくなってしまうのです。そこまでプレイヤーを洗脳してしまうようなこのゲームには、ゲーム以外の何かが隠されているのかも……。

練りに練られた雰囲気たっぷりなメタフィクション展開のゲーム体験ができるこのゲームは、特殊な世界を大いに盛り上げるグラフィックと音楽、雰囲気までものそれら全てがこのサイコロジカルゲームの世界を作り上げているのです。後半にかけて姿が変わっていくゲームにプレイヤーは動揺と感動を覚えることでしょう。全てが一つに繋がるゲーム『Inscryption』。とにかく、プレイしてください!

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Inscryption

タイトル: Inscryption
ジャンル: アドベンチャー, インディー, ストラテジー
開発元: Daniel Mullins Games
パブリッシャー: Devolver Digital
シリーズ: Devolver Digital
リリース日: 2021年10月20日