銃火器 背にした おイヌ様『METAL DOGS』のお通りだ!

「竜退治はもう飽きた!」という(かなり喧嘩を売った)キャッチフレーズを知っているだろうか? そう、「メタルマックス(以下、MM)」シリーズFC版初代のTVCMで使われていたものだ。まあ、「堀井さんに顔向けができない」とデザイナーの宮岡氏が猛反対したやつだ。『堀井さん』とは、ご存じドラクエシリーズの生みの親であり、宮岡氏は同シリーズの1~3作まで制作に関わっていた。また当時ドラクエは、”かの”有名な『IV 天空の花嫁』が発売し世間がドラクエに沸いていた、という時期だ。そんな諸々の大人の事情を知ったことかとばかりに「竜退治はもう飽きた!」と言い切ったのが「MM」シリーズだ(ほとんど桝田省治のせい)。そんな尖りまくった「MM」シリーズが30周年を迎え、記念作品としてスピンオフ作品が登場した。その名も『METAL DOGS』。ジャケットは、可愛いワンちゃんがイカつい銃(重)火器を背負っているという、かなり尖ったデザインだ。「MM」は「戦車と人間のRPG」だが、スピンオフの『METAL DOGS』はどんな内容なのか、紹介していこう。

MMシリーズ30周年記念作品! おなじみのワンちゃんが主人公!?

まず「MM」シリーズとは、文明が破壊されてしまった「ポストアポカリプス」の世界観と、自由度の高さを特徴としたRPGシリーズだ。舞台は「大破壊」によって人類が滅亡した日本。プレイヤーは文明の遺物である戦車に乗って各地の「WANTED(賞金首)」をハントしつつ戦車を改造していくというゲームだ。しかし本作『METAL DOGS』は、シューティングアクション、『撃ちまくりわんわんアクション』だ。何のこっちゃと思われた方に補足すると、「ハック&スラッシュ要素とローグライク要素を選べるアクションシューティングゲーム」とも考えていただけると分かりやすいかも。2020年発売の『メタルマックスゼノ リボーン』の舞台だった東京から離れ、富士の裾野「アオキガハラ」を舞台としている。主人公は、「MM」シリーズでお馴染みのマスコットキャラクターの「ポチ」だ。西を目指していたところで力尽きた戦闘犬ポチを、シリーズでお馴染みのDr.ミンチが蘇生させるところで物語が始まる。ポチの他にも、ドーベルマンの「ベル」、ブルドッグの「ボナンザ」でもプレイできる。「MM」で戦車を強化していた代わりに、『METAL DOGS』ではワンちゃんが背負う武器を強化してゲームを進めていくのだ。

手に入れた賞金で最強の犬(せんしゃ)に改造しよう!

ミッションは個々に分かれており、ダンジョンを探索しながら様々な兵器を手に入れてワンちゃんを強化していく。マップはランダムに形成されるが、部屋のほとんどに敵が配置されており、敵と戦うたびにお金(G)や回復アイテムが手に入る。またダンジョンを攻略する際に出現する、凶悪な「WANTED」をハントすると、賞金が手に入る。そのまとまったお金で、犬が装備する「機銃」「大砲」「S-E(ミサイルなどの特殊兵器)」を強化できる。汎用性が高いのは「機銃+大砲+S-E」の組み合わせだが、「S-E+大砲+大砲」と重火器編成で「WANTED」に挑むのも1つのロマンだ。シリーズでお馴染みの「WANTED」(ロンメルゴーストとか)も出現するので、ご安心いただきたい。そのようにして、ワンちゃんを最強の戦車にカスタマイズしよう。

難易度で変化するゲーム性! 生き残るために考えろ!

『METAL DOGS』の難易度は、「ノーマル」と「ハード」に分かれている。「ノーマル」は、弾数に限りがなく、死亡時にペナルティがない。強い装備を手に入れれば、何回何千回死んでも数を撃てば押し切ることができる。つまり、とてもカジュアルに「撃ちまくりわんわんアクション」、ないしハック&スラッシュ要素のあるシューティグアクションを楽しむことができる。対して「ハード」では、カジュアルとは全く異なる。例を挙げれば、まず弾数がかなりシビアになってくる。そしてダンジョン攻略中に死亡した場合、装備アイテムと消費アイテムが消滅する。また兵器を使うには弾薬が必要となるので、弾をバカスカ撃てない。さらにオートセーブがなく、セーブの回数もアイテムによって制限される。その他にも敵から回復アイテムがドロップできない、回復アイテムの持ち込み数が制限されるなど、慎重にゲームを進めていかないといけない設定が満載だ。この気の遣わせようは、まさに「ローグライク」のような緊張感。設定する難易度によって、爽快感たっぷりの撃ちまくりわんわんアクションと、緊張感のあるローグライクなシューティングアクションを味わえる。しかも「MM」シリーズで、だ。一石二鳥とは、まさにこのことじゃあないか!(犬だが)

「MM」のマスコットキャラクター「ポチ」を筆頭とした可愛い犬たちで、『撃ちまくりわんわんアクション』を楽しめるのは、素直にうれしい。戦闘システムも武器の口径が上がれば上がるほど強くなるという考え方は、物理を上げて強力な武器をぶっ放せばいいという「MM」の大味感が感じられる。爽快感も抜群だ。そして何より、 わ ん こ 可 愛 い 。戦闘に疲れたら、条件クリアで解放される「犬小屋」に行ってみよう。「犬小屋」ではお気に入りの愛犬をじっくり眺めることができる。そこで可愛いわんわんを存分に堪能して、ほっこり癒されよう。癒し効果の他にも、壁紙やアクセサリ、好きな装甲やDr.ミンチでデコったり写真を撮ったりすることもできてしまう。可愛いわんわんを楽しみたい人には、うってつけの機能だ。そして「ぼくのかんがえたさいきょうのポチ(もしくはベル、もしくはボナンザ)」で戦場を駆け回り、22mm機銃でヤツらの顎を喰い千切ろう!

(余談だが、実際の「ロンメルのゴースト(・ディヴィジョン)」は普通に考えて倒せないだろうなぁと筆者は思っている。詳細は某調査兵団の団長のモチーフにもなったであろうエルヴィン・ロンメルを参照されたい)

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METAL DOGS

タイトル: METAL DOGS
ジャンル: アクション, インディー, RPG, 早期アクセス
開発元: 24Frame,inc.
パブリッシャー: 24Frame,inc.
リリース日: 2021年8月25日
早期アクセスリリース日: 2021年8月25日