“原点にして頂点” ローグライク+カードバトル系ジャンルの申し子『Slay the Spire』

ここ数年、数多くの中毒者を出している『ローグライクカードゲーム』。「Chrono Ark」や「Overdungeon」など多くのインスパイア系ゲームがヒットしているが、それらの原点となる作品が今回紹介する『Slay the Spire』だ。

カードゲームにハマっている自分に言わせてみれば「やらなきゃ大損の神ゲー」と言っても過言ではない! 数多くの人を沼に引きずり込んだゲームだが、自分もすっかり沼にハマってしまったのである!

何度も遊べるローグライクカードゲーム

ローグライクカードゲームと言ってもピンと来ない人も多いだろう。カードゲームはまだしもローグライクというのはイメージが沸かないだろう。ローグライクを簡単に説明すると「自動生成のダンジョンを攻略するゲームで、死んだら全てがリセットされ、何度も遊べるゲーム」というもの。つまり、このゲームには、その要素がしっかりと取り込まれているのである。基本的にはカードゲームではあるものの、ダンジョンを探索していく要素があり、ローグライクらしくマップは自動生成となっている。ランダムに枝分かれしたルートを自分の判断で進んで行き、道中のステージはカードバトルとなっている。勝てばダンジョンを進むことができるが、もし負ければリセットとなってしまう。

基本はカードゲームなのでデッキ構築も重要な要素だ。しかし、このゲームで使用するカードは各ステージで勝った際にランダムで手に入るカードを使わなくてはならない。つまり、狙ったデッキが組めるとは限らず、プレイする度に違ったデッキを構築して挑まなければならないのだ。逆を言えば、毎回、違ったバトルや探索ができ二度とない冒険を楽しむことができるのだ! 正にローグライクの『何度も遊べるゲーム』になっているのである。

相手の行動を読み対処する。戦略性が中毒となるカードバトル!

さて、話は少々脱線するが、ローグライクゲームの元となったローグというゲームは、非常に戦略性が高く敵の行動を読みながら進んで行く「詰将棋」のようなゲームでもあるのだ。

実は『Slay the Spire』にもそのような「相手の行動を読む」という要素がしっかりと組み込まれているのである。

このゲームはターン性のカードバトルとなっているが、なんと「相手の次の行動」がバッチリと表示されているのだ。例えば「6のダメージを与える攻撃をする」と表示されていれば、ダメージを減らすために弱体化を使うか、もしくは自身を強化して次のターンに勝負を持ち込むかなどの戦略が立てられる。相手の行動を読んで、それに応じたカードで対処ができるというわけだ。このゲームのデッキの構築はランダム要素が強く、酷いデッキになってしまうこともある。しかし、敵の行動が分かるということは、例え手持ちのカードが酷くとも、ちゃんと考えれば対処ができるのである。相手の次の行動が見えているからこそ、さらに先の行動を読んでプレイすることが重要になってくるわけだ。

あーでもない、こうでもないと考えているうちに時間はドンドン過ぎていき、気が付けば考えること自体が楽しくなってくる。そりゃ中毒になるのも分かるだろう!

 

『Slay the Spire』はローグライクという要素のせいで、カードゲームにしては運の要素が強く、ぶっ壊れていると言えるだろう。人によっては「クソゲー」と感じるかもしれない。しかし、「運を味方にできない貴様が悪い!」というのもカードゲームの面白さのひとつである。確かに運の要素は強いのだが、それを『相手の行動を読む』という戦略性を加えることによって『バランスの取れている運ゲー』へと昇華させている。この絶妙なバランスも中毒になる要因のひとつだろう。

さて、このゲームは時間のあるときにプレイをするのをオススメする。最初のうちは1プレイに2時間近くはかかるが、慣れてしまえば1時間程度でクリアできるようになる。サクッとクリアできるようになると「もう1回やるか」とついついプレイしてしまう。気が付けば1日が終わっており、すっかり沼にハマっている……。もし、プレイをするならば、このゲームの沼には十分気を付けるようにしよう!

 

 

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Slay the Spire

タイトル: Slay the Spire
ジャンル: インディー, ストラテジー
開発元: Mega Crit Games
パブリッシャー: Mega Crit Games
リリース日: 2019年1月24日